相続した土地の一部が農地だった、というご相談は前橋市周辺で非常に多くあります。農地は宅地と同じようには売れません。
農地法という制約
農地は食料生産の基盤として法律で保護されており、売買や用途変更には農業委員会の許可または届出が必要です。登記地目が「田」「畑」であれば、現況が空き地でも農地として扱われます。
3条・4条・5条の違い
- 3条/農地を農地のまま売る。買主は農家など、耕作する人に限られます
- 4条/自分の農地を自分で宅地などに転用する
- 5条/転用を前提に第三者へ売る。宅地として売却する場合はこれにあたります
市街化区域か、市街化調整区域か
ここで手続きの重さが大きく変わります。
市街化区域|届出で済みます
市街化を進める区域のため、農業委員会への届出で足ります。受理まで2週間程度と比較的短く、住宅用地としての売却がしやすくなります。
市街化調整区域|許可が必要です
市街化を抑制する区域のため、許可が必要になります。申請しても必ず下りるとは限らず、農地の区分(農用地区域内か、第1種・第2種・第3種か)によって難易度が変わります。
特に農用地区域内農地(青地)は原則として転用できません。除外の手続きから始める必要があり、年単位の時間がかかることもあります。
手続きにかかる期間
農業委員会は月1回程度の開催が一般的です。申請書の準備、審議、県への進達を経て、許可が下りるまで1〜3か月を見込む必要があります。
実務では、売買契約に「農地転用許可を停止条件とする」という条項を入れて進めます。許可が下りなければ契約は白紙に戻り、手付金も返還されます。
相続した農地でよくある問題
- 宅地の一部が農地のまま/庭や駐車場として使っていても、登記地目が畑のままというケース。売買の直前に発覚すると契約に影響します
- 相続登記が未了/農地の相続では、農業委員会への届出も必要です
- 耕作していない/遊休農地として指導の対象になることがあります
- 接道がない/農道にしか接していない土地は、転用しても建築できないことがあります
売れる土地かどうかは調べれば分かります
農地は「売れない」のではなく、手続きと条件を確認しないと売り方が決まらない土地です。区域区分と農地区分を調べれば、宅地として売れるのか、農地として売るしかないのか、あるいは隣接農家への売却が現実的なのかが判断できます。
前橋不動産では、公図・登記情報の取得と市役所・農業委員会での確認を行い、必要に応じて行政書士・土地家屋調査士と連携して手続きを進めます。「畑が付いていて売れないと言われた」という土地こそ、一度ご相談ください。相続不動産のご相談もあわせてご覧ください。

