共有名義の不動産を売却する方法|トラブルを防ぐ注意点

共有名義の不動産は、共有者全員の同意がなければ売却できません。1人でも反対すれば売れないため、早めに方針を決めることが重要です。

なぜ共有名義になるのか

最も多いのは相続です。兄弟姉妹で相続した実家を、とりあえず法定相続分どおりの共有にしたまま何年も経過するパターン。次いで、夫婦で資金を出し合って購入した住宅や、親子でローンを組んだケースがあります。

共有のまま放置する危険性

時間が経つほど問題は深刻になります。共有者の誰かが亡くなると、その持分がさらにその方の相続人へ分割されるためです。

兄弟3人の共有が、次の世代では甥や姪を含めて7人、その次では十数人——という具合に権利者が増えていきます。面識のない親戚全員から実印と印鑑証明を集めることは現実的に困難で、売ることも活用することもできない資産になってしまいます。その間も固定資産税と管理の負担は続きます。

解決する4つの方法

  • 全員の合意で売却し、代金を持分に応じて分ける/最も公平で、実務上も多い方法です
  • 共有者の1人が他の持分を買い取る/住み続けたい方がいる場合。買取価格の算定が争点になります
  • 自分の持分だけを売る/法律上は単独で可能ですが、持分だけを買うのは専門業者に限られ、価格は大きく下がります。他の共有者との関係も悪化しやすいため、最終手段です
  • 分筆して現物分割する/土地の場合。ただし分筆によって接道条件を満たさなくなり、価値が下がることがあります

話がまとまらないときの進め方

対立の原因は感情よりも情報の不足であることが多くあります。「もっと高く売れるはずだ」「早く現金化したい」——それぞれの前提となる金額が共有されていないため、議論が噛み合いません。

第三者である不動産会社が根拠のある査定額を出し、仲介で売った場合・買取の場合・保有し続けた場合の費用まで並べると、判断材料が揃って話が進むことが多くあります。査定は無料ですので、話し合いの材料としてお使いください。当社が中立の立場で説明の場に同席することも可能です。

実務上の注意点

売却する場合、契約と決済には原則として共有者全員の出席が必要です。遠方の方がいる場合は委任状での対応も可能ですが、司法書士による本人確認が必要になります。段取りを含めて当社で調整いたしますので、まずはご相談ください。

持分割合と権利の関係

共有名義では、各人が「持分」を持ちます。この持分の大きさによって、単独でできることが変わります。

  • 保存行為(修繕など)/各共有者が単独でできます
  • 管理行為(賃貸に出すなど)/持分の過半数の同意が必要です
  • 変更・処分行為(売却、建替え、解体)全員の同意が必要です

つまり、持分を多く持っていても、1人でも反対すれば売却はできません。「自分が3分の2持っているから決められる」という誤解が、親族間の対立につながることがあります。

固定資産税は誰が払うのか

納税通知書は代表者1人に届きますが、法律上は共有者全員が連帯して納税義務を負います。実務上は代表者が立て替え、後から持分に応じて精算する形が多いのですが、この精算が滞ることが対立のきっかけになりがちです。長期化しているケースほど、立て替えた側の不満が蓄積しています。

話し合いがどうしてもまとまらない場合

最終手段として共有物分割請求という制度があります。共有者は、いつでも分割を請求できると民法で定められており、協議が調わなければ裁判所に申し立てることができます。

ただし、裁判になれば時間も費用もかかり、親族関係は決定的に悪化します。判決では競売による分割が命じられることもあり、市場価格より安く処分される結果になりがちです。実際にここまで進むのは望ましくありません。

早く動くほど選択肢が多い

共有の問題は、時間が経つほど関係者が増え、解決が難しくなります。現在の共有者が全員健在で、連絡が取れるうちに方針を決めることが最善です。

前橋不動産では、まず「いくらで売れるのか」という共通の数字をご提示し、そのうえで換価分割・代償分割それぞれの手取り額を比較できる形でお示ししています。中立の立場での説明の場に同席することも可能です。相続不動産のご相談もあわせてご覧ください。

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