土地を借りて建てた家(借地権付き建物)や、他人に貸している土地(底地)は、通常の不動産とは売却の進め方が異なります。単独では売りにくいが、組み合わせ方によって価値が大きく変わるのが特徴です。
借地権とは
建物を所有するために土地を借りる権利です。前橋市内でも、古くからの市街地や寺社の周辺に見られます。借地権には大きく2種類あります。
- 旧法借地権(1992年7月以前の契約)/更新が前提で、借地人の保護が非常に強い権利です。実質的に半永久的に使い続けられるため、資産価値も高くなります
- 定期借地権(1992年8月以降の新法)/期間満了で必ず終了し、更地にして返還します。期間が短いほど価値は下がります
借地権を売る場合
地主の承諾が必要です
借地権を第三者に譲渡するには、地主の承諾が要ります。その際に譲渡承諾料(借地権価格の1割程度が目安)を求められるのが一般的です。
地主が承諾しない場合、裁判所に借地非訟という手続きを申し立て、承諾に代わる許可を得る方法があります。ただし時間と費用がかかります。
買主が限られます
借地権付き建物は、住宅ローンの審査が通りにくい傾向があります。土地に抵当権を設定できないためです。結果として現金購入者や、借地に慣れた事業者が買主候補になります。
地主に買い取ってもらう
最もスムーズなのがこの方法です。地主にとっては土地が完全な所有権に戻るため、双方に利があります。まず打診してみる価値があります。
底地を売る場合
底地とは、借地権が設定された土地の所有権です。地代収入はありますが、自由に使えず、売却も難しいという性格を持ちます。
- 借地人に買い取ってもらう/借地人にとっては完全な所有権になるため、最も条件がまとまりやすい方法です
- 底地買取業者に売る/可能ですが、価格は大きく下がります
- 借地人と同時に売却する/後述します
最も価値が上がるのは「同時売却」
借地権と底地は、別々に売るとどちらも本来の価値を下回ります。しかし両者が合意して同時に売却し、完全な所有権として市場に出せば、通常の土地として評価されます。
売却代金を借地権割合に応じて分ける形が一般的です。一般的な住宅地では借地権6〜7割、底地3〜4割といった配分が目安になりますが、実際の割合は地域や契約内容によって変わります。
もうひとつ、等価交換という方法もあります。土地を分割し、一部を借地人の所有権に、残りを地主の完全な所有権にするものです。それぞれが自由に使える土地を持てるようになります。
まずは契約内容の確認から
借地の問題は、契約書の内容と経緯によって取れる手段が変わります。契約書が残っていない、口約束のまま代替わりしているというケースも少なくありません。
前橋不動産では、登記情報と契約内容の確認から、地主・借地人双方への打診までお手伝いしています。「売れないと思っていた」という権利こそ、一度ご相談ください。不動産売却のご案内もあわせてご覧ください。

