売却して利益(譲渡所得)が出た場合には、譲渡所得税・住民税がかかります。ただし特例を使うことで、税額がゼロになるケースも少なくありません。
税額の計算の考え方
売った金額そのものに課税されるわけではありません。
譲渡所得 = 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除
取得費とは、被相続人がその不動産を買ったときの価格です。相続した場合、取得日も取得費も被相続人から引き継ぎます。つまり親が30年前に買った家であれば、相続してすぐ売っても長期譲渡(税率約20%)が適用されます。短期譲渡の約40%にはなりません。
最大の注意点は「購入時の契約書」です
取得費を証明する書類が見つからない場合、売却価格の5%を取得費とみなすルールが適用されます。1,000万円で売った場合、取得費はわずか50万円とみなされ、差額のほぼ全額が課税対象になってしまいます。
相続の場面で最も金額に影響する要素がこれです。実家を片付ける前に、仏壇・金庫・押し入れの書類箱などを確認し、購入時の売買契約書や領収書が残っていないか探してください。分譲時のパンフレットや住宅ローンの返済計画表が手がかりになることもあります。
使える可能性のある特例
- 相続空き家の3,000万円特別控除/被相続人が亡くなる直前まで一人で住んでいた家であることなど、要件を満たせば大きく減額できます。耐震改修または解体が条件になる場合があり、売り方の順番を間違えると使えなくなります
- 取得費加算の特例/相続税を納めた方が、相続税の申告期限から3年以内に売却した場合、納めた相続税の一部を取得費に加算できます
- 居住用財産の3,000万円特別控除/相続した方自身がその家に住んでいた場合に使えます
申告は売却の翌年です
確定申告の期間は、売却した年の翌年2月16日〜3月15日です。特例を使って税額がゼロになる場合でも、申告しなければ特例そのものが適用されません。「税金がかからないから申告不要」と考えて放置すると、後から本来の税額と加算税を請求されることになります。
当社では、査定の段階で「この売り方だとどの特例が使えそうか」を整理し、必要に応じて提携する税理士におつなぎしています。契約を結ぶ前にご相談ください。

