「築40年の家なんて、誰も買わないのでは」——前橋市で古い戸建てをお持ちの方から、必ずと言っていいほど出てくる言葉です。
結論から申し上げると、築40年でも築50年でも、売却は十分に可能です。ただし、新しい家と同じ売り方をしてもうまくいきません。古い物件には、古い物件に合った売り方があります。この記事では、築古住宅が実際にどう評価され、どの売り方を選べば手元に多く残るのかを解説します。
1. 築古住宅は「建物」ではなく「土地」で評価される
まず前提を押さえておきましょう。不動産の査定では、木造住宅の建物価値は年数の経過とともに下がっていき、税務上の耐用年数を超えるとほぼゼロとして扱われます。
つまり築40年を超える木造住宅の場合、査定額の大部分は土地の価格で決まります。建物がいくら傷んでいても、逆にきれいに使われていても、土地の価格そのものは変わりません。
これは悲観的な話に聞こえるかもしれませんが、実は前向きな意味もあります。建物の状態を過度に気にする必要がないということだからです。「掃除が行き届いていないから恥ずかしい」「雨漏りしているから査定に出せない」と考えて動けずにいる方が多いのですが、その心配は不要です。まずは現状のままで査定を受けてください。
むしろ重要なのは土地の条件です。
- 接道:幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接しているか
- 再建築の可否:建て替えができる土地かどうか
- 面積と形状:整形地か、旗竿地か
- 用途地域と建ぺい率・容積率
- 境界の確定状況、私道の持分の有無
ここに問題があると価格が大きく下がるため、売り出し前の確認が欠かせません。
2. 築古住宅の売り方は4つあります
(1) 現況のまま売る
最も費用がかからない方法です。買主は、自分でリフォームする前提の個人か、再販を手がける事業者になります。中古住宅を安く買って自分好みに直したいという層は一定数おり、前橋市内でも需要はあります。
向いているケース:手出しの現金を使いたくない、急いでいない、建物がまだ使える状態にある。
(2) リフォームしてから売る
水回りや内装を直して売り出す方法です。見た目の印象が変わるため、売れるまでの期間が短くなることがあります。
ただし注意が必要です。リフォーム費用がそのまま売却価格に上乗せできるとは限りません。200万円かけて価格が100万円しか上がらなければ、損をすることになります。当社では建築の専門家と連携し、「どこを、いくらで直せば、いくら価格が上がるか」を試算したうえでご提案しています。全面改装ではなく、水回りだけ、クロスと床だけ、といった部分的な改修で十分なことも多くあります。
向いているケース:立地が良く、内装さえ整えば実需層に届く物件。
(3) 解体して土地として売る
建物を撤去し、更地にして売る方法です。買主が用途をイメージしやすく、住宅ローンも組みやすくなります。
ただし解体費は木造30坪で100万〜150万円前後が目安で、その費用ほど土地価格が上がらないケースもあります。また、更地にすると住宅用地の特例が外れ、翌年度から固定資産税が上がります。前橋市には老朽空き家解体補助金(工事費の3分の1・上限25万円)がありますが、着工前の事前相談と市内業者による施工が条件です。
向いているケース:建物の傷みが激しい、土地の需要が明確にある、買主が更地を求めている。
(4) 不動産会社に直接買い取ってもらう
当社のような不動産会社が直接買主になる方法です。残置物を片付ける必要も、リフォームも解体も不要で、そのままの状態で引き渡せます。内覧対応も広告掲載もありません。
仲介より価格は下がりますが、リフォーム費・解体費・仲介手数料・売れるまでの固定資産税と管理費を差し引いて比べると、手元に残る金額では逆転することもあります。
向いているケース:早く現金化したい、片付けが負担、近所に知られたくない、相続で共有者が複数いる。
3. 「売れない」と言われた物件で確認すべきこと
他社で断られた、あるいは長期間売れ残っている物件には、たいてい原因があります。
再建築不可になっていないか
接道が2メートル未満だと、建て替えができません。この場合、住宅ローンが使えず買主が限られます。ただし隣地の所有者にとっては土地を広げる好機であり、隣地への打診で解決するケースがあります。一般の広告に出すだけでは、この買主には届きません。
境界が確定していないか
古い物件ほど境界が曖昧なままです。買主にとっては不安要素になり、値引きの材料にされます。測量には費用がかかりますが、確定させたほうが結果的に高く売れることもあります。
価格設定が相場から離れていないか
売り出し初期は最も反応が集まる時期です。ここで高すぎる価格をつけると、その山を逃したまま掲載期間だけが過ぎ、値下げを繰り返して「売れ残り物件」と見なされてしまいます。
販売の方法が合っているか
築古の物件は、実需のファミリー層だけを狙っても届きません。投資家、再販業者、隣地所有者、事業用途の買主など、複数の買主像に向けて別々のアプローチをする必要があります。
4. 古い家を売るときの注意点
建物の不具合を隠さないことです。雨漏り、シロアリ、給排水の不具合などを知りながら伝えずに引き渡すと、契約不適合責任を問われ、修補費用や損害賠償を負担することになりかねません。
正しい対処は、事前に開示したうえで価格に反映させることです。「この部分は不具合があります」と明示して売るほうが、買主も納得して購入でき、後のトラブルを防げます。なお、当社が直接買い取る場合は、契約不適合責任を免責とすることが可能です。売却後に何か言われる心配をしたくない方には、この点も大きな安心材料になります。
まとめ
築40年・50年の家でも売却はできます。ただし査定額の中心は土地であり、建物の状態より土地の条件(接道・再建築の可否・境界)のほうが価格を左右します。
売り方は、現況のまま/リフォームして/解体して/買取の4通り。どれが有利かは物件ごとに逆転するため、最初から一つに絞らず、それぞれの手残り額を比較してから決めることが重要です。
前橋不動産では、建築の専門家と連携し、リフォームの費用対効果の試算から、解体した場合の想定価格、当社の買取価格まで、まとめてご提示しています。「こんな古い家でも見てもらえるのか」と迷っている方こそ、まずはそのままの状態でご相談ください。査定・ご相談は無料です。

