ホームインスペクション(建物状況調査)とは、建築の専門家が住宅の状態を調査し、劣化や不具合の有無を報告するサービスです。中古住宅の売買では、売主・買主の双方にとって判断材料になります。
何を調べるのか
- 構造耐力上主要な部分/基礎のひび割れ、土台や柱の劣化、傾き
- 雨水の浸入を防ぐ部分/屋根、外壁、開口部からの雨漏りの形跡
- 設備配管/給排水管の漏れや詰まり
- シロアリ被害の有無
目視を中心とした調査で、通常は半日程度。壁を壊すような破壊調査は行いません。
売主にとってのメリット
最大の利点は契約不適合責任のリスクを下げられることです。引渡し後に雨漏りやシロアリが見つかると、売主が修補費用や損害賠償を求められることがあります。事前に調査して状態を開示しておけば、その部分について後から責任を問われることは原則ありません。
また、「調査済みの住宅」であることは買主の安心材料になり、内覧から契約までの判断が早くなる傾向があります。値引き交渉の材料を先に潰しておけるという効果もあります。
買主にとってのメリット
購入後にかかる修繕費の見通しが立ちます。「価格は安いが、入居後すぐ屋根の葺き替えで200万円」という事態を避けられます。前橋不動産では新築建売住宅の仲介手数料0円のご購入でも、ホームインスペクションのご相談を承っています。新築だから安心とは限らず、施工のばらつきや設備の納まりを確認しておく価値があります。
費用と実施のタイミング
調査内容によりますが、一戸建てで5万円前後からが一般的な水準です。売主が実施する場合は売り出し前、買主が実施する場合は売買契約前が原則です。契約後に不具合が見つかると、条件変更の交渉が難しくなります。
調査するかどうかの判断
築年数が浅い、または明らかに解体前提の物件では、費用に見合わないこともあります。一方、築20〜40年で「まだ十分使えるはず」という物件では、調査結果が価格の裏付けになり、投資に見合うケースが多くあります。
当社では建築の知見を持つ提携先と連携しており、そもそも調査が必要な物件かどうかの判断からご相談いただけます。不動産売却をご検討中の方は、査定の際にあわせてお尋ねください。
調査でよく指摘される項目
実際の調査で指摘が多いのは、次のような箇所です。いずれも目視で確認できる範囲のものです。
- 基礎のひび割れ/幅0.5mm未満のヘアークラックは経年で生じる一般的なもので、構造上の問題とは限りません。幅が広い、貫通している場合は要注意です
- 床の傾き/建物の不同沈下や構造の劣化を示すことがあります
- 小屋裏の雨漏り跡/天井にシミがなくても、屋根裏に痕跡が残っていることがあります
- 床下の湿気・カビ/換気口がふさがれている、防湿対策が不十分といった原因があります
- 外壁のシーリング劣化/雨水浸入の入口になります
重要なのは、指摘があった=売れない、ではないということです。築年数相応の劣化であれば、それを前提に価格を設定すれば問題ありません。むしろ「どこにどの程度の劣化があるか」が明確になることで、買主は安心して判断できます。
既存住宅売買瑕疵保険との関係
インスペクションで一定の基準を満たすと、既存住宅売買瑕疵保険に加入できる場合があります。引渡し後に構造上の不具合や雨漏りが見つかった際、保険で補修費用がまかなわれる仕組みです。
この保険が付いている中古住宅は、買主にとって大きな安心材料になります。加えて、住宅ローン控除や登録免許税の軽減など、買主が税制優遇を受けられる要件を満たすことにもつながります。結果として、売主にとっても物件の競争力が上がります。
宅建業者には説明義務があります
2018年の宅地建物取引業法の改正により、不動産会社は媒介契約時にインスペクション業者をあっせんできるかどうかを示し、重要事項説明で調査結果の有無を説明することが義務づけられました。つまり、実施するかどうかは任意ですが、話題にすること自体は制度として組み込まれています。
実施しないという判断も合理的です
費用対効果で考えれば、次の場合は不要なことが多いでしょう。
- 解体して土地として売る前提の物件
- 築浅で明らかに問題がない物件
- 当社が直接買い取る場合(契約不適合責任を免責にできるため)
前橋不動産では、そもそも調査が必要な物件かどうかの判断からご相談いただけます。無理におすすめすることはありません。

